真紀さん

朝から会議。いつもより1時間早く起きる。うまく眠れなかったものだから、ものすごく眠い。
寝る前に人生のシミュレーションをしすぎた。昨晩、行きついた先は、子どもを産んで会社を辞め、
再就職先もなく、フリーでやるにもうまくいかず、オットひとりの給料じゃどうにもならなくて、
スーパーのパートに出る、というものだった。
人生が不安だと初めて思った。
たとえそうなってもいい、と思えなかった自分が悲しい。
保坂和志の『あの人の閾』という小説がとても好きで、それは、そこに出てくる真紀さんの佇まい
みたいなものにとても惹かれたからだけど(正確には、真紀さんを見る主人公の視点─保坂和志
の視点─に共感したのだ)、真紀さんは、ひとつの家庭のなかでとてもしっかり
と生きていた。いまのアタシには、変な野望がある。怖い。