冬休みの読書

これからの日本社会は、二極化、リスク化が進み、人々の中流意識は崩れ、
量的な格差だけでなく質的な格差、つまりステータスの格差が出てくるというお
話。ものすごく大雑把にいうと、負け組に挽回のチャンスはないというようなこと。
ヒトゴトとは思えず、正直、怖い。
ライフスタイルを「選ぶ」ことができるのは、極々一部の人々で、
多くの人は、ライフスタイルを「強いられる」ようになるのだという。
以前、ここにも書いたけど、結婚式で似たような家族環境のモノ同士が
結婚するのもそういうことなのだと思う。
年収の高い男性は、年収の高い女性と結婚をし、
その子どもには十分な教育と情報とが与えられ、目の前にも多くの選択肢が並ぶ。
フリーターの中年博士になるかもしれないオットは、最近、将来の不安をよく
口にするけれど、この本でも社会的弱者の例としてオーバードクターの話がたく
さん出てきていたよ。
2月から小さい出版社へ会社を移る予定の私としては、組織にしがみつけるだけ
しがみついたほうがよかったのだろうか、と余計なことまで考えはじめ、
ぶるぶると頭をふった。

理論社の新シリーズ「よりみちパン!セ」のラインナップ、すごいね。
このシリーズ、どういうふうに展開していくのか興味津々。

久々に再読。何度読んでも怖くて、おもしろい。
ティム・バートン監督で映画がリメイクされるらしい。楽しみ。

実家に帰る飛行機で一気に読めた。
女・子供の80年代を振り返りつつ、
フェミニズム」と「フェミニズムのようなもの」を対比し、
「学問としてのフェミニズム」に対しての不信感を語ったもの。
具体的にいうと、上野千鶴子林真理子の「アグネス論争」を、
「本当にあれでよかったの?」と分析したもの。
斎藤美奈子の『文壇アイドル論』「上野千鶴子」「林真理子」の項と
併読するとよりわかりやすい。
でも、結局のところ、80年代的なフェミ(のようなものも含む)には
共感できないのだった。

希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く チョコレート工場の秘密 (てのり文庫 (566C008)) いのちの食べかた (よりみちパン!セ) なぜフェミニズムは没落したのか (中公新書ラクレ)