『トーキョー/不在/ハムレット』再び。

知人からの感想やネットでの評価を見ると、どうやら賛否両論のよう。
時間が長い、俳優の力不足、演出に深みがない、といったところが批判の対象らしい。
たしかに休憩なしの2時間40分だし、俳優たちは名もない若手だし、
演出は、ストーリーを中断させるようなものが随所に散りばめられている。
でも、それがなんだというのだろう。
意味を解体したり、あるいは、過剰に意味づけしたりする演出方法や、
無機質な舞台空間は、抽象度を高めるというよりも、むしろ生々しいリアルさがあったと思った。
地方の閉塞感というのは、のっぺりとしたものだよ。
それは、技術的な演技のうまさや名のある俳優では出せなかったのではないかと。
ただ、私は5月のリーディングからずっと観ているわけで、もはや
いっしょにつくっているようなものすごく近しい気持ちになっていた部分もある。
そういう意味では、本公演だけ観た人とは、あきらかに感想は違ってくるのだろう。
それに今回の公演で何がいちばんおもしろかったかといえば、
やはりプレ公演から本公演に至る一連の過程だったしね。