『女の人生すごろく』(小倉千加子
奥付は、1994年。2004年で3刷ということは、『結婚の条件』が売れたことで
それまでの著作にも注目が集まったということなのだろう。
内容的にも『結婚の条件』に通じる、「女の希望格差社会」といったところ。
十数年前のものという古さは感じない。
むしろ不況の度合いが強まったことによって、この「人生すごろく」は、
より強化されてきているのではないか。
人生の処世術をたっぷりと身につけることになるOL生活。
母から娘へとひたすら繰り返される「人生すごろく」。
娘を持つことに躊躇いさえも憶える。その関係が怖い
ところで、内容と関係なくおもしろかったのが、巻末の西原理恵子との対談で、
西原のおじいさんは、高田屋嘉兵衛の次男らしくで、財をなしたと思ったら、
小豆相場で破産したとか、無頼派の血の濃さを垣間見た気がした。
女の人生すごろく